くだものQ&A
くだものの疑問にお答えします
よくあるご質問
Q1 くだものを朝食に食べる効果はありますか。
Q2 くだものをたくさん食べると太るのではないですか。また、最近のくだものは甘いものが多いのですが、ダイエットをしている人は食べない方が良いのでしょうか。
Q3 スポーツをしたときにくだものを食べると効果があるのですか。
Q4 最近、β−クリプトキサンチンという言葉を聞きますが、これは何ですか。
Q5 くだものを食べると美肌に良いと聞きますが、本当でしょうか。
Q6 くだものの皮についているべとべとや白い粉は何ですか。農薬ではないのでしょうか。
Q7 蜜入りのりんごはおいしいのですか。
Q8 みかんをたくさん食べたら手のひらが黄色くなりましたが、大丈夫ですか。
Q9 みかんは袋ごと食べた方が体に良いのでしょうか。
Q10 くだものは野菜と比べてカロリーが高いのではありませんか。
Q11 くだものには農薬が付いているような気がしますが、そのまま食べても問題ないのでしょうか。
Q
くだものを朝食に食べる効果はありますか。
A くだものには、体調を整えるビタミンや吸収しやすくエネルギー源になる果糖、ブドウ糖が多く含まれています。脳のエネルギー源はブドウ糖のみです。睡眠中に消費されたブドウ糖をできるだけ早い時点で効率良く摂取し、活力ある1日を送るため、そのスタートとなる朝食でくだものを十分に摂り、失われた有効成分を速やかに補給すると効果的です。
また、くだものには水分やさわやかな食感を与える有機酸が多く、朝でも食べやすいうえ、唾液の分泌を促進させて食欲の増進にも役立つとともに、くだもののもつ香り、色等が、あわただしい朝に精神的なゆとりを与えてくれます。さらに、くだものに含まれるカテキン類には、口臭予防効果がある等のメリットもあります。
このように、1日のうちで朝くだものを摂ることには多くのメリットがあるのです。
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Q
くだものをたくさん食べると太るのではないですか。また、最近のくだものは甘いものが多いのですが、ダイエットをしている人は食べない方が良いのでしょうか。
A くだものは甘く、甘い=エネルギーが高いといったイメージがあるため、くだものを食べると太ると思っている人がいますが、これは大きな誤解です。くだものが甘いと感じるのは果糖によるもので、果糖は砂糖の1.15〜1.73倍の甘さを感じますが、1g当たりエネルギーは4kcalと、他の糖と変わりません。甘いからといって、エネルギーが高いというわけではないのです。また、くだものの大部分は水分であり、菓子類のようにエネルギーの高い脂質もほとんど含まれていないため、100g当たりのエネルギーは50kcal程度で、同じ量のショートケーキの7分の1程度です。このように、くだものは低エネルギー食品なので、ダイエットに最適です。

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最近、くだもの産地では、光センサーの導入等により一定基準以上の高糖度のものを出荷することが多くなってきました。このため、最近のくだものは甘いから昔のくだものよりも太りやすいのではないかといった声が聞かれますが、糖度が1度上がった場合の100g当たりエネルギーの増加量はわずかに4kcal程度であり、これも正しい認識とはいえません。
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Q
スポーツをしたときにくだものを食べると効果があるのですか。
A 健康的な生活をするためには、適度な運動が必要です。しかし、激しい練習を積んでいる運動選手はもちろん、適度なスポーツをしている人においても、運動後は、水分のほか、失われたエネルギー源と健康維持に必要なビタミン、ミネラルをくだもの等からしっかりと摂取する必要があります。くだものには、エネルギー源となる糖質として果糖やブドウ糖が豊富に含まれているため、運動後のエネルギー補給に適しています。また、くだものに多く含まれているビタミン、ミネラルは速やかな物質代謝を助け、疲労回復を促進させる働きがあるため、くだものの摂取は重要です。
激しい運動を行い、身体がストレス下におかれると、体内の生体成分を酸化させる活性酸素が増加します。くだものにも含まれるビタミンC、Eやポリフェノ−ル類は活性酸素の働きを抑える抗酸化作用があるため、運動後にはくだものを積極的に摂る必要があります。
このように、くだものはスポ−ツには欠かせない品目ですが、運動後速やかに摂取する観点から、生鮮くだものはもとより、ジュ−ス(果汁100%)を活用するのも賢い方法でしょう。
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Q
最近、β−クリプトキサンチンという言葉を聞きますが、これは何ですか。
A β−クリプトキサンチンは、みかんに特に多く含まれる橙色のカロテノイド色素で、プロビタミンAの一つです。最近、がんをはじめ種々の生活習慣病予防効果に関する次のような研究成果が次々と報告されています。なお、β−クリプトキサンチンは特にみかんに多く含まれ、かきはその半分程度、オレンジには1/10ほどしか含まれておらず、グレープフルーツにはほとんど含まれていません。また、主要な野菜にもほとんど含まれていません。

・  みかんを高頻度に摂取している人では、糖尿病、高血圧、心臓病、痛風の有病率が有意に低い。
・  お酒をよく飲む人や糖尿病の人では、肝機能が低下するが、血中β-クリプトキサンチン濃度が高い人(みかんをたくさん食べている人)は正常者と変わらず、肝臓保護効果が期待できる。
・  血中β−クリプトキサンチン濃度が高い人(みかんをたくさん食べている人)は、動脈硬化、インスリン抵抗性(注)及び喫煙者でのメタボリックシンドロームのリスクが半分以下であった。また、閉経後の女性で血中β−クリプトキサンチン濃度が高い人は、骨密度が高かった。
(注)インスリン抵抗性とはインスリンの働きが悪くなる状態をいい、糖尿病や動脈硬化の危険因子となる。
・  β−クリプトキサンチンとイノシトールを強化したみかんジュースを用いたヒト試験で、ウイルス性肝がんの発生を顕著に抑制した。
・  くだものの摂取は骨密度(骨代謝)に良い影響を与え、また、β−クリプトキサンチンやくだものの摂取量が多い女性ではうつの傾向が低く、認知機能が高い。
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Q
くだものを食べると美肌に良いと聞きますが、本当でしょうか。
A 美しい肌を保つには、規則正しい生活と栄養バランスのとれた食事が大切です。不規則な生活が続くと便秘ぎみになり、全身の新陳代謝がうまく行われなくなるため、ニキビ、肌あれの原因になります。くだものには食物繊維が豊富に含まれており、便秘を解消する働きがあります。また、くだものにも含まれる豊富なビタミンは美容に欠かせません。
特に、くだものはビタミンCの主要な摂取源となっています。ビタミンCは、肌を黒くするメラニン色素の形成の進行を抑える働きがあるので、肌の美白に有効であることが広く知られています。加えて、皮膚の細胞間をつなぎ、肌に水分を蓄えるコラーゲンは、肌の弾力、シワに関係する重要な成分ですが、ビタミンCはコラーゲンの形成に不可欠な成分にもなっています。
くだものにも豊富に含まれるビタミンAは皮膚を健康に保つ働きがあるため、不足すると、乾燥肌やニキビ、吹き出物ができやすくなります。また、体内でビタミンAに変換するプロビタミンAであるα−カロテン、β−カロテン、β−クリプトキサンチンも効果があります。
さらに、くだものにも含まれるポリフェノール類は肌のくすみ等の原因となる活性酸素を除去する働きがあります。
このように、くだものは、美容に欠かせないビタミン等機能性成分の補給源であり、また、カロリーが少ないので、栄養バランスを崩しがちな20、30代の食生活には、ダイエットのためにも積極的に取り入れたい品目といえます。
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Q
くだものの皮についているべとべとや白い粉は何ですか。農薬ではないのでしょうか。
A りんごの表面がべとべとしていたり、ぶどうの果粒が白い粉のような物質で覆われていたりしている場合があります。これは、残留農薬ではなくブルーム(果粉)といわれるもので、りんごやぶどう自身が作り出している「ろう物質」(ワックス)です。果実の最も外側の皮はクチクラと呼ばれる層で、果皮の表面を保護したり、果肉からの水分の蒸散を抑え鮮度を保持したりしています。ブルーム(果粉)は、このクチクラに含まれていて、水をはじいたり、病気等から果実を保護したりする働きがあると考えられています。よって、ブルーム(果粉)は、食べても何の問題もなく、むしろ、よく熟していて新鮮な証拠です。
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Q
蜜入りのりんごはおいしいのですか?
A 光合成によって葉で作られた同化産物は、ソルビトール(六価アルコール)に変換されて果実に転流し、果実内で果糖等の糖に変換されます。しかし、完熟期には既に細胞が糖で飽和しているため、ソルビトールが細胞内に入れず、細胞と細胞の間に蓄積するため、水浸し状になったものがりんごの蜜です。よって、蜜入りりんごは完熟になるまで木になっていたことの証明です。この蜜の部分にはソルビトールが多く含まれているため、甘い糖が多いわけではありませんが、さわやかな甘さが感じられます。
蜜入りりんごがおいしいのは、完熟していることに加えて、このさわやかさがプラスしているからといえるでしょう。しかし、あまり日持ちしないため、新鮮なうちに食べるのが味を楽しむコツです。なお、蜜はすべての品種に発生するわけではなく、ふじやデリシャス等に多い傾向があります。
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Q
みかんをたくさん食べたら手のひらが黄色くなりましたが、大丈夫ですか。
A みかんの橙色は、β−クリプトキサンチンというカロテノイド色素によるものです。このカロテノイドは、体内に入ると脂肪酸と結合して脂肪酸エステルになるため、体内の脂肪組織に蓄積されやすいという特徴があります。
手のひらには皮下脂肪が多く、目につきやすいので手が黄色くなるのが分かりますが、β−クリプトキサンチンは手のひらだけでなく、様々な部位に蓄えられます。そして、みかんを食べなくなると、元の肌の色に戻ります。さらに、β−クリプトキサンチンは動物実験で発がん予防作用もある機能性物質であることが分かっています。また、同じ量のみかんを食べても、黄色くなる度合いは、人によってそれぞれ違います。
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Q
みかんは袋ごと食べた方が体に良いのでしょうか。
A みかんの袋はじょうのう膜といい、食物繊維とヘスペジリン等のフラボノイドを豊富に含んでいます。食物繊維には水溶性のペクチンが多く、これは血糖値上昇抑制や高脂血症を予防する効果が知られています。また、ヘスペリジンは抗酸化作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用等があります。したがって、袋ごと食べれば健康効果が高まります。
また、きんかんは果皮ごと食べますが、ヒュウガナツは果皮の内側のワタ部分を食べます。かんきつ類のワタを含む果皮には食物繊維やカロテノイドのほか、果皮の油胞には血流を改善するビタミンEが豊富に含まれているので、健康効果が大いに期待されます。
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Q
くだものは野菜と比べてカロリーが高いのではありませんか。
A 一般的に「くだものはカロリーが高い」というイメージがあるようですが、本当にそうでしょうか。
例えば、くだものの100g当たりのカロリーは、りんご54kcal、みかん46kcal、日本なし43kcal、もも40kcal、あんず36kcalです。一方、同じ分量のごぼうは65kcal、パセリは44kcal、にんじん、たまねぎが37kcalで、グリンピースは93kcalです。こうして比べると、くだもののカロリーは野菜と比べてそれほど高くないことが分かります。むしろ、野菜の種類によってはくだものよりカロリーが高い場合もあるわけです。
さらに注目したい点があります。それは、くだものは野菜と違ってそのまま食べられる食品という点です。ほとんどの場合、くだものは調理や調味をしないで、そのまま食べます。一方、野菜は煮たり焼いたり炒めたりすることが多く、生でサラダとして食べても、ドレッシングやマヨネーズをかけたりすることがほとんどでしょう。そうすると、カロリーはどうなるでしょうか。例えばししとうがらしや青ピーマンは、生ではりんごよりカロリーは低い(100g当たりししとうがらしは27kcal、青ピーマンは22kcal、りんごは54kcal)のですが、これらを油炒めにした場合、ししとうがらしは60kcal、青ピーマンは64kclとなり、りんごよりカロリーが高くなってしまいます。マヨネーズやドレッシングをかけた場合も、それだけカロリーはプラスされてしまいます。
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Q
くだものには農薬が付いているような気がしますが、そのまま食べても問題ないのでしょうか。
A 農薬は、病気や害虫等から農作物を守るために必要な資材ですが、使い方を間違うと生物や環境に悪影響を与えてしまうことがあります。そのため、農薬には、作物に残留した農薬が人体等に影響を及ぼさないよう、厳しい規制がかけられています。具体的には、農薬取締法によって登録制度がとられており、安全性等が確認され、国に登録された農薬以外の製造、輸入、販売及び使用が禁止されています。登録に当たっては、安全性に関する厳しい審査を受ける必要があり、特に農薬の作物残留に関しては、残留農薬基準等の厳しい基準が定められています。この基準は、人が一生涯にわたり毎日摂取しても影響がない量をもとに設定され、この基準以内の摂取であれば、消費者の健康が脅かされることはありません。
また、平成18年5月29日から新たな残留基準制度(ポジティブリスト制度)が施行されました。この制度では、原則、すべての農薬等について残留基準を設定し、基準を超えて食品中に残留する場合、その食品の販売等が禁止されています。
残留農薬基準を超えないためには、正しい使用方法を守ることが前提となるため、農薬の使用に当たっては、農薬使用基準(農薬ごと、対象作物ごとに設定された使用時期、使用回数等)が定められています。この農薬使用基準に違反する農薬の使用は禁止されており、違反した場合には厳しい罰則が課せられ、流通段階においても、農産物の抜き取り検査等が実施されています。
こうした仕組みにより、残留農薬に対して十分に高い安全性が確保されています。それでも心配な方は、くだものを食べる際に洗ったり、皮を剥けば、残留農薬基準をはるかに下回り、安心してくだものを食べることができます。
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