くだもの辞典
キウイフルーツ
来歴

キウイフル−ツの野生種は日本、朝鮮半島、中国等に分布し、日本の野生種はサルナシと呼ばれています。現在世界中で主力品種として栽培されているヘイワ−ドを育成したのはニュ−ジ−ランドで、1906年に中国から導入された種子の実生から、いくつかの品質の優れたものが選抜・育成されたものです。1950年代以降にニュ−ジ−ランドから果実と種苗が世界中に輸出され、栽培されるようになりました。したがって果実の主要品目の中では最も新しい品目といえます。

ニュージーランドから日本に導入されたのは1970年代に入ってからで、主にみかんの代替品目として西南暖地を中心に広がりました。当初は中国からも様々な品種が導入され、品種改良が進められましたが、日本で育成された品種で現在も栽培されているのは香緑程度です。現在日本で販売されているキウイフルーツの果肉色は緑がほとんどですが、中国には黄色や紅色の品種もあり、果肉色の異なる品種の開発も行われています。

主産地

世界の主要生産国と日本の主要生産県は、下記のとおりです。

主産地
種類

キウイフルーツは雌雄異株の作物であり、通常雄株は雌株の5%程度を混植しますが、雌株の一部に雄品種を接木することもできます。したがって、新たな品種の育成は主に雌の品種を対象に行われます。

日本で栽培されている品種の9割以上はヘイワ−ドで、日本で育成された香緑は全体の2%弱にすぎません。代表的な品種は、以下のとおりです。

品種名 雄雌 熟期 1果重 果形 糖度 毛茸
ゴ−ルド 早生 80-120g 扁円俵形 13-16
ヘイワ−ド 晩生 100-150g 12-15
香緑 100-180g 長俵形 13-18
ゴールド

1987年にニュージーランドにおいて自然交配してできた品種です。黄肉種で先端がとがっており、ヘイワードに比べて酸が少なく、糖度が高いです。日本では、愛媛等でニュージーランドのゼスプリ社と生産契約を結び、栽培されています。(主な産地は、愛媛、佐賀)

ヘイワード

世界のキウイフルーツ栽培の90%以上がこの品種です。 甘味と酸味のバランスがよく、良い香りがします。果実は100g〜130g。果肉はエメラルドグリーンで美しく、貯蔵性に優れています。(主な産地は、愛媛、福岡、和歌山、神奈川、大分)

香緑

香川県でヘイワードが自然交配してできた品種です。果実は100g〜130g。甘味が強く、酸味は弱い。香気が強くて食味は優れています。円筒形でやや細長い感じがします。果肉はエメラルドグリーンでヘイワードより糖度が高くなるといわれています。成熟期は11月とやや早く、追熟は容易ですが、貯蔵には劣ります。(主な産地は香川)

品種名 雄雌
特徴
マツア 開花期間が長く、花粉量が多い。
トムリ 開花が遅く、ヘイワ−ド用として育成された。
旬の時期

キウイフル−ツの収穫は10月〜11月ごろに行われますが、そのままでは食べられないため、ほとんどのものは冷蔵庫等に貯蔵されます。貯蔵された果実は、出荷直前にエチレン等により追熟処理後出荷されます。出荷時期は、国産ものが12月〜翌年5月ごろまで、ニュ−ジ−ランドの輸入ものが5月〜翌年1月ごろまでで、ほぼ年中出荷されています。

おいしい果実の選び方
果形 扁円俵形で変形していないもの。
果面 傷や腐敗がなく、毛茸が全体に均等に付いているもの。
硬さ やや軟らかく、弾力性があるもの。
香り キウイフルーツ独特の芳香があるもの。
食べ方のポイント

指で触ってみて弾力があるのが食べごろです。輪切りよりくし形切りにすると、甘みが均等になります。また、半分に切ってスプーンで食べてもおいしく食べられます。

貯蔵方法

追熟処理が普及してないころは硬いキウイフルーツが小売店で販売され、消費者の不評をかいましたが、1990年代以降は多くの産地が追熟してから出荷するようになり、適熟の果実が提供されるようになりました。

もし硬いキウイフルーツを購入した場合は、室温で数日おけば追熟して香りが出てくるとともに、果実がやや柔らかくなり食べごろになります。りんごと一緒に袋に入れると追熟しやすくなります。硬いキウイフルーツを冷蔵庫に入れると追熟しなくなりますので、注意してください。

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