メロンの仲間の原産地は世界各地に存在し、その起源を特定する説はまだ発表されていませんが、栽培は古代エジプトや古代ギリシャ時代から知られており、11〜13世紀にはイタリアやソ連、15〜16世紀にはヨ−ロッパで盛んに栽培されていました。 日本でも縄文時代晩期や弥生時代の遺跡からマクワウリやシロウリの種子が発見されており、古くから利用されていました。これらウリ類は江戸時代まで栽培されていましたが、現在日本で栽培されているメロンは、明治時代の中後期以降に世界各国から導入された品種の交雑により育成されたものです。 |
世界の主要生産国と日本の主要生産県は、次のとおりです。日本での生産地は全国各地にあり、下表の主産県の上位5位をみても、北海道から九州までの道県が入っており、それぞれの地域に合った特徴のある品種が栽培されています。 |
メロンは品種により栽培形態が異なるものが多く、ガラス温室メロン、ビニ−ルハウスメロン、露地メロンの3つに分類できます。ガラス温室で栽培されているのは、主にネットのあるア−ルス系メロン、大中型ビニ−ルハウスで栽培されているのはネットのあるアンデスやアムス、ネットのないしらゆきやホ−ムラン、小型トンネルや露地で栽培されているのは、キンショウ、エリザベス、プリンス等があげられます。いずれも日本人の嗜好に合わせて育成された、糖度が高く、香りが良く、おいしい品種です。 日本在来のマクワウリやシロウリ系の品種は、1962年に育成されたプリンスメロンの登場以来徐々に減少し、今ではほとんど見かけなくなりました。 またアメリカやメキシコから輸入されているメロンは、果皮が乳白色、果肉が白緑色のハネジュウメロンが主体となっています。 以下メロンの代表的品種を紹介します。 ア−ルス系
主にガラス温室で栽培され、収穫期の違いで春系〜冬系まで様々な品種があり、別名マスク(麝香)メロンとも呼ばれています。 アンデス
主にビニ−ルハウスで栽培されています。 アムス
主にビニ−ルハウスで栽培されています。 夕張メロン
主にビニ−ルハウスで栽培されています。 ホ−ムラン
主にビニ−ルハウスで栽培されています。 タカミ
主にビニ−ルハウスで栽培されています。 クインシー
主にビニ−ルハウスで栽培されています。 オトメ
主にビニ−ルハウスで栽培されています。 |
日本のメロンの栽培は施設栽培が主流になっており、特にア−ルス系メロンは一年中出荷されていますが、他のメロンの主な出荷時期は4月〜7月です。 |
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一般にメロンは食べごろの数日前に収穫、出荷されるため、消費者には食べごろの判断が難しく、購入時に小売店で聞くのが一番です。それができない場合はつるの反対側の尻部に弾力のある柔らかさが出て、品種特有の香りが出てくれば食べごろのしるしです。 メロンの糖度は中心部に近いほど高い傾向があり、つる部を上にして縦に切ると平等に分けることができます。またアールスメロンは一年中出荷されていますが、一般には気温の低い時期の方が糖度が高い傾向があります。 メロンにはネットがある品種とない品種があります。このネットの有無によるおいしさの違いはありませんが、ネットがある品種では果面全体にきれいにネットが入っているものがおいしいとされています。このネットは幼果時に果肉の成長が果皮の成長を上回ったときに果皮に亀裂が入り、これが癒合した時に出来るコルク層がネット状に現れたものです。 |
熟すまでは室内で保存しますが、熟したら冷蔵庫に入れ、できるだけ早く食べるようにしましょう。 |
メロンの一年間の主な栽培管理作業を紹介します。
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