びわの野生種は中国や日本に広く分布していますが、19世紀以前に栽培されていた品種は、これら野生種の自然交雑により生まれたとされています。中国の栽培の歴史は古く、6世紀に記された著書には白肉種と黄肉種の2つの果肉色の品種があることが記載されています。また日本では762年に記された正倉院の書物がびわについての記述がある最も古い文献とされています。 日本で栽培が始まったのは江戸時代の後期に入ってからで、関東以西の暖地に小さな産地がありました。しかし当時の果実は球形の小玉で、現在のような卵形で大玉のびわは江戸時代の末期に中国から導入されました。現在の主要品種の「茂木」は19世紀前半に長崎で唐びわの種から、「田中」は19世紀後半に長崎で入手した大玉びわの種から発生した偶発実生です。茂木は長崎で、田中は東京でそれぞれ播種され育成されたことから、茂木は主に九州に、田中は主に千葉県で栽培されました。 |
日本の主要生産県は、次のとおりです。びわは亜熱帯及び温帯原産の果樹で、年平均気温が15度以上で、冬季の最低気温が−5度以下にならない地域が栽培適地とされ、日本での栽培は千葉県以西の西南暖地に限られています。 |
従来、びわの品種はほとんどが茂木と田中でしたが、近年ハウス栽培の増加に伴い、1981年に品種登録された長崎早生が増加しており、現在ではこの3品種でびわ栽培面積の約9割を占めています。長崎早生、茂木は長崎県や鹿児島県に多く、田中は千葉県や愛媛県で多く栽培されています。 びわの果肉色は通常橙黄色ですが、1982年に品種登録された白茂木は人為的に突然変移を引き起こさせた品種で、果肉色が白色といった新しい品種も育成されています。また、千葉県では、種なしの品種「希房」が育成されました。
|
露地栽培のびわの主な出荷時期は5月と6月ですが、九州地域で盛んに行われているハウス栽培のびわは、早いものは1月から出荷が始まります。びわの果実は収穫直前まで酸が多く、早取りすると食味が劣るし、逆に収穫が遅れると過熟になり、荷傷みの原因になるため、収穫適期の判断は果皮色の変化により慎重に行われます。 |
|
食べる前2時間くらい前に冷蔵庫に入れておくと、より一層おいしく食べられます。また、皮をむく時はへその方がむきやすいでしょう。 |
冷蔵に弱いので、長く冷蔵するのは良くないでしょう。 |