南アフリカのカラハリ砂漠と周辺のサバンナ地帯から多種多様のすいかの野生種が発見されたことから、すいかの原産地は南アフリカとされています。その栽培は古代のエジプト、インド、ギリシャで始められたとされ、中国には4世紀に、ヨ−ロッパには16世紀に、アメリカや日本には17世紀に導入されました。 日本には、寛永年間(1624〜1643年)に長崎県に伝わったとされ、すでに江戸時代には各地で栽培されていました。しかし、この時代のすいかは現在の品種とは異なり、地域により特色のある品種が栽培されていました。本格的に品種改良が始まったのは、明治時代にアメリカから導入された多数の品種をもとに大正12年に奈良農試が品種改良事業に乗り出してからで、この事業で後の品種改良の基礎品種である大和すいかが生まれました。その後、品種改良は病気に強く、作りやすく、輸送性の高い品種の開発を目標に改良されましたが、戦後は核家族の進展に対応した中小玉品種や施設栽培に適した品種の育成が盛んに行われました。また果肉が黄色のクリ−ム系の品種や3倍体の種なしすいかも育成されましたが、現在ではあまり見かけなくなりました。 |
世界の主要生産国と日本の主要生産県は、次のとおりです。 |
すいかには様々な形や大きさ、果肉色の品種がありますが、現在日本で栽培されているのは3〜4kgの中玉で、球形、赤肉種が主力品種となっています。戦前は6〜7kgの大玉種が中心でしたが、戦後は核家族化や冷蔵庫の普及等により、中玉が好まれるようになりました。さらに、施設栽培の普及により近年では1.5kg前後で果皮の薄い小玉スイカも栽培されています。 果肉色が黄色のクリ−ム系すいかも育成されましたが、日本人の好む果肉色は赤のようで、主力品種にはなりませんでした。また3倍体の種なしすいかも食味がやや劣ることから、今では見かけなくなりました。 以下すいかの代表的な品種を紹介します。
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すいかの主要出荷期間は5月〜8月です。日本全国で栽培されており、作型もハウスを利用した促成栽培や半促成栽培、ビニ−ルトンネルを利用した早熟栽培、露地栽培と多様化しており、現在では産地と作型のリレ−により一年中食べられるようになりました。 一般にすいかは積算温度により成熟期間が決まるといわれ、授精から収穫適期までの日数は品種により異なりますが、おおよそ35〜45日といわれています。しかしこの日数は生育期間の環境により微妙に変化するため、収穫は試し切りにより熟度を確認してから行います。 |
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すいかの糖分の蓄積は中心部から始まるため、収穫されたすいかも中心部の甘味が最も高く、平等に切りわけるにはツルを上にして縦に切り分けると中心部が均等に分けられます。また食べる時の適温は15〜20度といわれ、あまり冷えすぎるとすいか本来のおいしさが出ないので、冷蔵庫で冷やす場合は食べる1時間程度前に切りわけて入れるとおいしく食べられます。 |
購入したらなるべく早く食べるようにしましょう。食べきれない場合、玉のすいかは風通しの良い日陰で保存し、カットしたものはラップをして野菜室で冷やします。 |
すいかの一年間の主な栽培管理作業を紹介します。
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