江戸時代の中期、山口県長門市仙崎町の海岸に漂着した果実を西本於長という童女が見つけ、その種を播いて育てたのが夏みかんの始まりといわれています。あまなつは、1935年ごろ、大分県津久見市上青江の川野豊氏の園で夏みかんとして植えた樹の中から発見され、1950年に当時の農産種苗法により「川野なつだいだい」として名称登録(第16号)されました。原木はカラタチ台で、樹全体が変異していることから、接穂が変異したものとされています。発見された当時は、す上がりが早く品質が劣ると判断されたため栽植されませんでしたが、1955年ごろから大分県、熊本県田浦町、愛媛県御荘町(現愛南町)で新植され、その後全国に普及しました。 |
全国の生産量は4万トン(2012年)です。 |
夏橙(なつだいだい)
いわゆる「夏みかん」のこと。あまなつ・サンフルーツの親に当たります。 江戸時代は酸味が強くて生食には不向きで、子供のおもちゃとして、あるいは食酢の代用物として用いられていました。 果実としては、明治になってから萩を中心に旧士族の授産事業として栽培が広がり、それ以後全国的に分布するようになりました。 川野夏橙(かわのなつだいだい)
いわゆる「あまなつ」の主力品種。 外観は夏みかんとほとんど変わりません。クエン酸が夏みかんに比べて早くから減少し、食味が良くなるのが特徴です。 新あまなつ(しんあまなつ)
いわゆる「サンフルーツ」のこと。田ノ浦オレンジともいいます。熊本県芦北郡田浦町の山崎氏のあまなつ柑園で昭和37年にあまなつの枝変わりとして発見されました。果皮が非常になめらかなのが特徴。 紅あまなつ(べにあまなつ)
昭和40年に熊本県天草郡有明町であまなつの枝変わりとして発見されました。昭和50年に紅あまなつとして登録。 果皮の色が濃い紅橙色で、果肉も淡い赤みを帯びているのが特徴。果肉はやわらかく、果汁の割合がやや高い品種です。 |
1月から出回り、3〜5月が出荷最盛期です。 |
おいしいあまなつは、果皮に張りとツヤがあり、持ったときに重みを感じるもの。 |
皮が硬くてむきにくい場合は、ヘタの逆に、 |
貯蔵性が高いので、温度が高くならず、 |