くだもの辞典
すもも
来歴

すももの野生種はアジア、ヨ−ロッパ、北アメリカに広く分布していますが、世界で栽培されているのは、ニホンスモモとヨ−ロッパスモモの系統が主流を占めています。ヨ−ロッパスモモは西アジアが原産といわれ、紀元前よりヨ−ロッパ各地に伝えられました。乾燥した地域に適し、生食よりはむしろ乾燥果実(プル−ン)等に加工されています。果実は扁円形から長楕円形で、果皮色は青紫、赤、黄等バラエティに富み、1果重も30g〜100gまで様々なものがあります。

ニホンスモモは中国が原産といわれ、日本には奈良時代に伝えられ、19世紀中ごろにアメリカに渡り、様々な品種が育成され世界に広がりました。このアメリカで育成された品種は大正時代に日本に里帰りし、日本の品種との交配により、日本の気候に合った品種が育成されています。ニホンスモモは生食が中心ですが、果皮色、果肉色ともに黄白色から赤紅色まで様々で、1果重は30g〜200gを超えるものまで様々なものがあります。

主産地

世界の主要生産国及び日本の主要生産県は、次のとおりです。日本での栽培地域は全国各地に広がっていますが、完熟果の日持ち日数が短いことから、近年は生産量が減少傾向にあります。また日本で栽培されているのはニホンスモモが主体で、プル−ンの名で総称されるヨ−ロッパスモモの面積は全体の15%程度です。

主産地
種類

すももは、同一品種同士では授精しない自家不和合性品種が多く、植栽する時は交配和合性のある他の品種を混植するようにします。授粉は、通常、蜜蜂等の訪花昆虫を利用して行われますが、開花期の天候不順の場合は、結実数を確保するため人工授粉も行われます。

代表的な品種は以下のとおりです。

区分 品種名 熟期 果皮色 果肉色 1果重
ニホンスモモ 大石早生 早生 橙黄色 黄白色 50-60g
サンタロ-ザ 中生 鮮紅色 黄白色 100-150g
ソルダム 紅緑色 赤色 100-150g
貴陽 中晩生 紅色 淡黄色 200g前後
太陽 晩生 鮮紅色 黄白色 100-150g
秋姫 晩生 紅紫色 黄色 150-180g
セイヨウスモモ シュガ− 早生 赤紫色 淡黄色 50-60g
スタンレイ 晩生 青紫色 50-60g
サンプル-ン 紫黒色 30-40g
旬の時期

すももの主な出荷時期は6月〜8月ですが、
一般に早生品種に比べると中・晩生品種の方が食味が優れています。

おいしい果実の選び方
果皮 表面に張りがあり、全体に白い果粉(ブル−ム)が付いているもの。押し傷や褐変がないもの。
果形 豊円卵形で変形していないもの。
重さ 手で持つと見た目よりは重量感のあるもの。
香り 食べごろになると品種特有の香りが出てきます。
食べ方のポイント

完熟したすももは、収穫後の日持ち日数が3〜7日と短く、購入後はできるだけ早めに食べるようにします。日本でのすももの食べ方は主に生食ですが、すもも独特の酸味、果肉色、香り等を利用して、ジャムや果実酒にも加工されています。またプル−ン(セイヨウスモモ)は外国では主に乾燥果実に加工され、健康維持食品として消費されています。

貯蔵方法

傷みやすいので、買ってきたら冷蔵庫に入れましょう。

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